2010-12-06

模倣

他人の行為を真似る。

文化交流誌の社説からの引用なのだが、
欧米では、オリジナルへの意匠侵害だが、
中国では、最高敬意である。
この論理から、中国では違法コピーを悪いと思うどころか
オマージュとしていいことと思われる文化なのである。
欧米からいろいろといわれるから、
違法コピーを取り締まるのだが、
根底にはなぜ怒るのかわからないという思いが中国にはある。
そうだ。

日本でも、師の教え、伝統継承伝というものを尊ぶ。
しかし、切り口を変えれば、模倣そのものである。
日本では、
親しき存在の模倣は尊ばれ
見ず知らずの存在の模倣は不正コピー
とみなされることが多いが、これは独特の観念と言い切れる。

中国からすれば、
いいと思う気持ちがあるから模倣し、
それに共感するひとにその気持ちで真摯な価格で提供している。
こんなまじめの思いを違法コピーといわれることが理解できないという。

国が違えば、感覚が違う。
模倣を違法コピーとして取り締まるという概念は
これからの高度情報化社会ではナンセンスになると思う。
誰の模倣か、どっちが先に行ったかが明確にできないくらい情報が早いから。
これからは模倣されることを抑止するより
模倣されることこそいいものの証拠と割り切っていくことになるだろう。

考えてみれば
今生きている人々の人生なんて
99%は他人の模倣だと思う。
親、兄弟、先輩、先生、技術の先人からの
Copy & Paste でしかないではないか。

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