2010-08-11

秘伝

情報開示を求める世の中は
実は品質低下に繋がっている。
多くの技術において、
秘伝とされるものを開示させていこうとしているが、
それは秘伝ゆえに保たれた品質低下を招いている。

多くの人の目に晒されて、多角的な視点で悪いところが改善されるから
いいことだと世間はいうが、それは大きな間違いである。

悪いところは本当に悪いのだろうか、
感覚も経験もそして責任感のない人の意見に晒されて
必ずしも正しい判断がされるとは限らない。
むしろ、思いつきや偏った思想を強いられることになる。

具体的に言えば、
おいしいとされた料理店の他店舗化は
秘伝のオープン化であり、それが必ずしもうまくいかず
同じように仕事をしたとしても
「味が変わった」
「本店の味と違いすぎる」
なんていわれリスクになる。

また、付加価値ってものはその秘伝に他ならない。
情報開示をしても、付加価値にあたるものを
開示すべきではない。それを真似られて、自分たちの存在意義が危ぶまれても
世間の言い方は
「情報開示したのは自分たちだし、真似されるくらいの技術だったのだろう」
て評されるだけである。

個人情報保護 VS 情報開示義務(ディスクロージャー)
と情報に対しては、多くの矛盾にも似た論争が尽きない。

秘伝という神秘性に魅せられて世論からの開示要求がくるかもしれないが
秘伝とは知的財産であり、それを開示するのは窃盗要求にも近いとみなし、
抗弁したりしたりしないと守れない。
秘伝はそうやって、責任を持って守り続けられた結果なのだから。

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