2011-02-22

酷似

極めてよく似ている状態。
個性やオリジナリティーを尊重するこの時代。
似ているということはマイナス的な要因を含んでいることになっている。
場合によっては、似ているということでトラブルがおきる、そんな時代である。

似る、似せるということは必ずしも悪いことではない。
もっと言えば、似せることこそ進化、文化である。

大量生産とは、
オリジナルとされるものと寸分たがわない酷似品を
生み出せる技術の結果である。

仏像等の芸術品の多くは
あるモチーフをもとに可能な限りそれに似せて
創作することである。

多くの技術伝承は
親方の仕草を酷似させた上でこそ成り立つ。

個性やオリジナルという言葉を
自らの保身のために使い始めるとその人格は破綻する。
真似されてこその一流の証拠。
酷似されることはオマージュや伝承の表れ。

人は
酷似を受け入れ、そのことを横展開させて伝播させる道
誰にも真似できない、技術的に酷似することができない孤高の高み
を目指すべきであり、酷似されることへの怒りや保身は何も生み出さないと思うべきだ。

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