日本で伝承される民間信仰において、人間の理解を超える奇怪で異常な現象や、あるいはそれらを起こす、不可思議な力を持つ非日常的・非科学的な存在。
昭和の時代、妖怪をモチーフにしたメディア作品は恐怖を煽るものだった。人間ではどうしようもない、人間が抗うことができないものへの恐れ、哀れみを表現していた。
戦争の爪痕、人間の残忍さを暗喩させていたと思う。
しかし、平成になってからの妖怪を登場させるメディア作品に恐怖を煽るものが減った。というより現代人の愚かさや忘れていしまった道徳を妖怪が再考させるものが実に多くなっている。
妖怪ってものは、ある意味人間の写し鏡かもしれない。
残忍さの投影だったものが、今では人間らしさを人間に教えるための存在になっている。人間ではない存在を通じて人間らしさを考えさせられるようになっていることに悲しさとそして畏敬を妖怪に感じてしまうのは僕自身の人外性ゆえか。
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